篤志面接委員
2010年10月18日
- 各種相談会
近年、「○○相談」「○○110番」等々、各種資格団体、一般市民によるボランティア活動は枚挙に暇がない。
司法書士も、以前は登記相談と銘打って実施していたが、平成15年から制度化された認定司法書士も、一定の範囲内で法律相談ができるようになった。その後、法テラス等においても弁護士と連携して法律相談を実施している。
先日も、「いのちの電話相談」の電話相談員募集のための集会があり参加してみた。たくさんの人々が集まっており、世相を反映しているなと思わされた。可能なら相談員になってお役に立てればと思っているが、現実はなかなか難しい。
- 篤志面接委員就任の要請
司法書士もさまざまなボランティア舌動をしていると思うが、昨年「篤志面接委員」になってくれないかとの要請があった。ただ、私の知識不足のため、「篤志面接委員」という言葉を全く知らなかった。それは何をするのかと尋ねたところ、昭和28年から篤志面接委員制度が設けられ、法務省から委嘱を受けた篤志面接委員が全国の矯正施設(刑務所や少年院)において、被収容者各人のもつ精神的な悩みや将来の生活設計をめぐる諸問題について、適切な助言・指導を行うことにより、更生復帰させ、犯罪・非行のない明るい社会の実現のため支援・協力に奉仕することをいうらしい。篤志家とは、志(こころざし)の篤(あつ)い人のことである。
- 活動内容
篤志面接委員の活動は、個別の面接などを主体に行う個人指導と、教養や趣味など広い分野にわたり集団で行うグループ指導とに大別されている。
矯正施設における収容者の抱える問題は、現代社会の状況を反映して複雑多様であるため、公務員である矯正施設職員の力だけでは十分対応しにくい。そこで、専門知識や豊富な経験を有する民間の学識経験者や宗教家など、幅広い分野の方々が篤志面接委員として活動している。
最近、102歳にして今なお現役の黒田久子さんという全国最高齢の篤志面接委員を紹介した記事が目に止まった。彼女が、これまで四七年間重ねてきた面接は約3000回にも上る。80歳以上も年齢の離れた若者に、祖母のような気持で向き合ってきたそうである。まだ女性の地位が確立していない時代から率先して数々の奉仕職をこなしてこられた方で、その生涯にふさわしいライフワークであるとのことだった。
司法書士がこの篤志面接委員に就任し、収容者の更生復帰に貢献できることは、私の周囲では聞いたことがなかった。全国的には、司法書士が篤志面接委員として活躍していると思うが、こうして身近に要請されること自体が、司法書士の地位の向上につながり、また、責任の重大さをも感ずる。
- 司法書士としての社会貢献
私は、月に1~3回くらい刑務所に行き、1日5人前後、1人10分前後の時間で法律相談を受けている。相談者にとって十分満足のいく回答ができたかどうか自信はないが、相談内容や回答を記録に残す。しかし、想像以上に収容者が明るいのには驚いた。中には、相談が終わると涙を流して感謝する人がおり、一般の法律相談と少々違うと思うこともある。
現在、私と弁護士が交代で法律相談を行っているが、私が担当している相談内容は民事事件であり、金銭問題が圧倒的に多い。弁護士は、民事事件はもちろん、刑事事件関係も担当しているようである。
以上のような、篤志面接委員を拝命してから、矯正施設にうかがう機会を得、ある意味人生の縮図を垣間見ているわけだが、司法書士として、日常の業務により十分社会貢献していると自負していることに加え、真のボランティア活動を通して社会貢献ができる日々に感謝している。



